時祷書とは平信徒のための祈祷書で、日々決まった時刻になすべき祈りを
記してあり、聖職者にとっての聖務日課書にあたります。
14、15世紀のフランドルや北フランスでは、富裕な王侯貴族の間で
豪華な時祷書が流行し、史上名高い《ベリー公の豪華時祷書》のような
数々の美しい作品群が制作されました。
没食子インクでゴシック典礼書体で本文を書き記したうえに、
自然から採取される色素、赤土やラピスラズリなどを使用し
3色のインクと金箔でイニシャルの飾文字が施された構図、
羊皮紙作りから始まり、筆写、描画、彩色、箔打、製本の全てが手作業で
行なわれる中世に造られた大変手の込んだ価値の有る逸品です。
Bon Antiques中川修作氏が以前紹介された時祷書と
同じ構図の祈書になります。
羊皮紙に大きな破れや陥没等のダメージは見られません。
イニシャルの飾り文字には金箔が残り、
文字の掠れも見られません。
年代を考慮しても稀にみる良い保存状態です。
素材:羊皮紙 金箔 インク
サイズ:81×105(mm)
¥50
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